五輪前に｢パリのホームレス｣が連れていかれた先 パリを追われた人々を追跡してわかったこと

「マルセイユでホームレスのための場所を見つける資金はないが、パリからホームレスを連れてくる資金はあるということか？」マルセイユの副市長、オードリー・ガリノはそう皮肉った。

私たちは何が起こっているのか調べるため、パリから南西に数時間移動した。

オルレアンの収容施設は、市外にある灰色の3階建てホテルにあった。到着したとき、スタッフやソーシャルワーカーの姿は見当たらなかった。部屋は狭く、2台のシングルベッドが隣り合って置かれていた。

オルレアンの駅ではホームレス向けに無料の食事が提供されていた（写真：Dmitry Kostyukov／The New York Times）

ウソだらけのホームレス移住計画

そこで出会った男性たちは、長期的な住居や社会福祉が提供されることを期待し、パリでの仕事を辞めてバスに乗り込んだと話した。「到着したら何もなかった。彼らは私たちをバスに乗せるために嘘をついたんだ」とアフメドは言った。

数週間後、彼らは立ち去るよう告げられた。地元の収容施設に、彼らを受け入れられるところはなかった。

アフメドは、何が何でも空港での仕事にしがみつこうとパリに戻った。かつて住処にしていた建物はすでに立ち入り禁止となり警備員が見張っていたが、今のところは別の廃墟を見つけることができている。

アラミンとイブラヒムは留まることにした。ほぼ毎日、彼らは仕事を求めてオルレアンまで1時間かけて歩く。

収容施設の部屋の鍵はもう使えなくなったので、窓から侵入したという。

不法占拠者に逆戻り、というわけだ。

（執筆：Sarah Hurtes記者、Ségolène Le Stradic記者）
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