中国の自動車業界では、自動車メーカーと販売業者の間で年間および四半期ごとの販売目標を取り決め、その達成度合いに応じてメーカーがインセンティブ(販売奨励金)を支払うのが慣例になっている。
しかし中国汽車流通協会の調査によれば、2024年上半期(1~6月)の販売目標を達成した販売業者は全体の2割弱にとどまった。その一方、目標達成率が50%に届かなかった業者が13.5%と1割を超えた。
このことは、8割強のディーラーが上半期のインセンティブを十分に得られなかったか、またはインセンティブがゼロだったことを意味する。
4割を超えるディーラーが赤字
中国汽車流通協会が2024年3月に発表したレポートによれば、2023年の事業損益が黒字だった販売業者は全体の37.6%、収支トントンも18.8%にとどまり、残る43.5%が赤字だった。2024年の上半期に、赤字ディーラーの比率がさらに増えたことは想像に難くない。
そんな中、メーカーとディーラーの間のあつれきも表面化している。例えば5月には、ドイツの高級スポーツカーブランドのポルシェを販売する複数のディーラーが、(ポルシェ中国法人が求める販売目標が高すぎるとして)集団で車両の仕入れを拒否する事件が起きた。
ドイツ高級車大手のBMWでも、2024年1~3月期の中国市場での販売台数が前年同期比3.8%減少する中、(インセンティブを得るために自腹の値引きで販売台数をかさ上げしている)ディーラーの不満が高まっているもようだ。業界内の噂によれば、BMWは(メーカー負担による)3%の値引きなどを含む特別対応を、中国全土のディーラーに通知したという。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は7月2日
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