夏の旅行シーズンで明らかになる「貧富の差」 インフレの夏、高級ホテルは盛り上がる一方で

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ある分析によれば、高所得層が宿泊、交通、その他の旅行関連支出に充てる1ドルに対し、低所得層は19セント程度しか支出しないというのが、これまでの姿だった。

所得アップ波から取り残された人々

最近の経済動向によって、こうした状況はさらに悪化する可能性がある。ノースカロライナ州シャーロットの空港職員、ラションダ・バーバーも苦境に立たされている1人だ。バーバーはこの夏を機内で過ごすことになるが、空港を飛び立って休暇を楽しむことはない。

42歳のバーバーは週40時間、時給19ドルで、国際線の飛行機を掃除するゴミ収集車を運転している。厳しい仕事だ。真夏の駐機場はアメリカ南部特有の日差しでうだるように暑く、ゴミ袋はずっしりと重い。

この夏は忙しくなりそうだが、バーバーの賃金では生活は苦しくなる一方だ。物価も住民税も目に見えて上昇しているが、バーバーの時給は5年前にこの仕事を始めたときに比べ、わずか1ドルしか上がっていない。

確かに、彼女の例は典型的なものではないかもしれない。少なくとも2022年後半以降、低所得層の賃金は全体として物価上昇率を上回るペースで伸びている。しかし、そうした平均値の裏側で、バーバーのように取り残されている人々がいることも忘れてはならない。

「プライベートで旅行を楽しむことはない」。そう語るバーバーは、家族旅行には何年も出かけておらず、家族旅行したときも自分で車を運転して移動した、と説明した。

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