高校生になった元不登校・ゆたぼんが訴える「学校以外で学べる場所の大切さ」 中3の2学期から毎日登校、今は通信制高校へ
さらに今は高卒認定試験のために、多いときには1日8時間は勉強。8月に試験があるので、そこでの合格を目指しています。
――日本航空高等学校通信制課程でも高校卒業資格は取れると思いますが、どうして試験を受けるのでしょうか。
大学に進学して、そこでアマチュアボクシングをやりたいからです。

(写真:本人のXより引用)
小さい頃から格闘技が好きで極真空手をやっていたのですが、3歳の頃に病気を患い、辞めてしまいました。それ以来、格闘技から離れていたのですが、中学1年生の頃に亀田興毅さんに誘われてボクシングをスタート。2021年に亀田さん主催のボクシング興行でデビューして、今はジムに通いながらトレーニングをしています。
高卒認定試験に合格すれば、早い時期から大学受験の勉強ができるので、それを目指してがんばっています。いずれはプロボクサーになりたいですね。
――ゆたぼんさんは好きなこと、やりたいことを見つけるのが上手ですね。
好きなこと・やりたいことに出会えたのは、自分の人生にとって大きかったですね。やりたいことがなくて悩んでいる人も多いかもしれませんが、動画などを見て少しでも興味のあることはやってみること。合わなければ辞めればいいだけなので、面白いと思うなら、すぐにやることが大切だと思います。
学校以外で学べる場所を増やすべき
――「学校に行く」「学校に行かない」の両方を体験してみて、現在はどのように感じていますか。
僕は学校に行かなかったから、日本一周やボクシング、SNS発信など、自分のやりたいことができたと思います。でも学校に行ったから友達が増えて、たくさん遊べたとも思います。両方できて楽しかったし、それでよかったなと。
昔から行きたい子は行けばいいし、行きたくない子は行かなくていいと思っているのですが、僕は親が行くことを強制せず、僕の気持ちを尊重してくれたのがうれしかったです。行かなかったからこそ生まれたのが“ゆたぼん”で、そうでなかったら“ゆたぼん”はいなかったかもしれません。
――学校や先生がこうであったらいいと思う点があれば教えてください。
学校に行きたい子、行きたくない子、それぞれに合わせた環境を作るべきです。理由はそれぞれだと思いますが、不登校の子どもは増えていて約30万人にもなると言われています。フリースクールなど学校以外の場で学べる場所がもっと増えればと。一度きりの人生なのでやりたいことができるように、子どもの意見を尊重してほしいです。
――今、学校に行けずに悩んでいる子どもにどのような声をかけたいですか。
原因がいじめであれば、それは子どもではなく、親や学校の先生などまわりの大人にがんばってもらうべきです。それ以外の理由がわからないけれど行きたくない場合は、焦らずに自分がいいと思うタイミングで行けばいいと思います。そのタイミングは誰にもわかりませんが、きっと自分のタイミングで行かなければ納得できません。そのためにも学校以外で学べる場所があることが大切。僕もこれまで信じてくれた、周りの人たちに感謝しています。
(文:酒井明子、注記のない写真:本人提供)
東洋経済education × ICT編集部
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