こうした傾向は、都区部以外でも見られるのか調べてみた。神奈川県はタワーマンションとそれ以外では超過値上がり率の差が最も大きく43.0%、埼玉県で27.0%、千葉県で22.7%、都下で15.9%だった。
神奈川県の中では、横浜駅とみなとみらい地区のタワーとの超過値上がり率は群を抜いている。ナビューレ横浜タワーレジデンスは202%、ブリリアグランデみなとみらいパークフロントタワーは115%となっている。また、川崎駅前のラゾーナ川崎レジデンスセントラルタワーも116%である。
近畿圏でもおおむね同じ傾向
これは、近畿圏でもおおむね同じ傾向になる。大阪府で28.8%、兵庫県で32.3%だ。代表物件が、グランフロント大阪オーナーズタワーで120%と頭一つ抜けている。
ただし京都府は-21.6%とマイナスになる。タワーが2棟しかなく、その立地が郊外で人気がないのと、高さ規制がある中京区などの中心地のほうが資産性は高いことが要因と考えられる。京都で最も超過値上がり率が高い物件は、ルネ烏丸御池で151%となっている。
こうして、都区部以外のタワーの超過値上がり率は22.2%に対して、それ以外は-8.9%で、その差は31.0%となる。これは都区部の32.3%とほぼ同じなので、タワーは都市圏内では資産性で圧倒的に優位にあることになる。
タワーの定義は20階以上である。全国のマンションの超過値上がり率は9階までの低層が-8.2%、最も棟数が多い19階までは4.0%と平均並み、タワーで29階までが22.7%、39階までが33.8%、40階以上が53.0%となる。つまり、タワーには他の物件と高さを比較されないようなランドマーク性がその資産価値の源泉だとわかる。
この高さというランドマーク性、駅近などの立地、そして希少性の3つがそろうとその資産性は圧倒的になる。20階に満たず、外観で目立たない程の高さでもタワーを名乗る物件とは大違いなので、注意しよう。
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