日経平均「再度の4万1000円突破」は十分に可能だ 「米国利下げ後ずれ」「中国減速」のリスクは?

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次に中国経済をお金の総量から解析してみる。その代表的尺度である、社会融資総量(フロー)は、12カ月平均値が横ばいないしは下向き基調にあり、残高(ストック)は前年比プラス8.4%まで伸び率が縮小している。

社会融資総量とは銀行貸出に加え、株式・社債の発行、信託会社(≒シャドーバンキング)の融資などが含まれる広義の与信・流動性を示す尺度であり、そのGDP(国内総生産)比は中国当局の政策態度を反映すると言われている。

すなわち当局が景気刺激に前向きになれば政府債の発行が増えたり、銀行の融資基準が緩和したりして、お金が実体経済へ染みだしていく。また新規与信のGDP比(の前年差をとった数値)はクレジットインパルスと呼ばれ、日本株と一定の先行性を有することが知られている。正直なところ日本株との直接的な関係は不明確だが、大きくみれば6~12カ月の先行性が認められている。

中国のお金の量から見ると、日本株の楽観は禁物

仮に現在もその関係が維持されているなら、先行きの日本株は上昇の勢いを失う可能性があると言わざるをえない。ちなみに中国のクレジットインパルスをマネーサプライのM2(現金通貨と預金通貨と定期預金や外貨預金の合計)の12カ月先行に変えてみると、こちらは日本株の大幅な下落を示唆する波形となっている。

M2は前年比プラス7.0%と既往最低に落ち込んでおり、この1年程は特に弱さが目立っている。どちらの尺度も参考値にすぎないが、中国のお金の量を重視すると、日本株の先行きはやや慎重に見ておいたほうがいいかもしれない。

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