中国BYD「シール」正統派EVスポーツセダンの真価 奇抜さより真面目さが際立つ第3弾モデル登場

✎ 1〜 ✎ 114 ✎ 115 ✎ 116 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

走りに死角なしのように思えるが、個人的には以下の2点が気になった。ひとつ目が「乗り心地」だ。ツイン/シングルモーター仕様ともに、スポーツ色をうたうだけあって終始、足まわりの硬さを感じる。とくに後席に乗った場合、段差での突き上げが大きめで、個人差があるもののクルマ酔いを誘発しやすい。

トランク内のほか、ボンネット内にもラゲージスペースを備える
トランク内のほか、ボンネット内にもラゲージスペースを備える(写真:三木宏章)

ふたつ目が「電動駆動モーター制御」だ。加速方向はとても滑らかで、ツインモーター仕様はタイヤの回転角度にして0.022度(従来のBYD各BEVは7.5度)のスリップを検知して駆動コントロールを行っている。

反面、アクセルをオフにした(=ペダルから足を放した)際の駆動トルクの残りは若干大きい。ドライバーとしてはアクセルをオフにしているのだから、それに応じた減速度がすぐさま発生するものと身構えるものの、そこには100ミリ秒単位ながら加速感が残ってしまう。とくにアクセルを深く踏み込みサッと戻した際に強く、長くなる傾向で、リズミカルに走るぶん、山道では気になった。

BEVで気になる充電性能は?

大海原を自由に回遊する海洋生物をイメージした流麗なフロントフェイス
大海原を自由に回遊する海洋生物をイメージした流麗なフロントフェイス(写真:三木宏章)

充電は6kWhのAC普通充電と、最大105kWhのDC急速充電に対応する。BYD Auto Japanによると、SOC30%(外気温15度)からの急速充電(充電器出力90kWタイプ)では30分間で42kWhとほぼスペックどおりの充電量が得られたという。

これは約300~325㎞走行ぶんに相当する充電量だが、ここにはLFPバッテリーの特徴である充電時の少ない発熱量(充電開始時のバッテリー温度は約16度で30分間の充電後が約34度)も貢献している。

BEVながら現実的な価格設定も魅力的

車両価格は、シングルモーター仕様が528万円、ツインモーター仕様が605万円だが、1000台限定の導入記念キャンペーンとして、販売台数が上限に達するまでの期間はシングルモーター仕様が495万円、ツインモーター仕様が572万円となる。さらに8月31までのエントリー期間限定で、ETC/ドライブレコーダー/メンテナンスプログラム(eパスポート)/充電器と工事費を最大10万円までのサポートなどの初期購入特典も設定されている
車両価格は、シングルモーター仕様が528万円、ツインモーター仕様が605万円だが、1000台限定の導入記念キャンペーンとして、販売台数が上限に達するまでの期間はシングルモーター仕様が495万円、ツインモーター仕様が572万円となる。さらに8月31日までのエントリー期間限定で、ETC/ドライブレコーダー/メンテナンスプログラム(eパスポート)/充電器と工事費を最大10万円までのサポートなどの初期購入特典も設定されている(写真:三木宏章)

車両価格は、シングルモーター仕様528万円(CEV補助金を含む実質価格は493万円)、ツインモーター仕様605万円(同570万円)。さらに導入記念として1000台限定の特別価格として、シングルモーター仕様495万円(同460万円)、ツインモーター仕様572万円(同537万円)での用意がある。

【シール価格設定】
●シングルモーター仕様(BYD SEAL) 希望小売価格528万円 導入記念キャンペーン価格495万円
●ツインモーター仕様(BYD SEAL AWD) 希望小売価格605万円 導入記念キャンペーン価格572万円

※導入記念キャンペーンは、先行1000台限定のキャンペーン特別価格
東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

BYDは日本市場において2023年の1月から2024年5月までの間で2,277台の販売実績を残した。6月6日現在の販売拠点は開業準備室を含めて全国で55、ショールームを完備する店舗数は30を数える。BYD Auto Japanでは、この数字を2025年末までには全国100へと引き上げる計画があるという。

この記事の画像を見る(41枚)
西村 直人 交通コメンテーター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事