走りに死角なしのように思えるが、個人的には以下の2点が気になった。ひとつ目が「乗り心地」だ。ツイン/シングルモーター仕様ともに、スポーツ色をうたうだけあって終始、足まわりの硬さを感じる。とくに後席に乗った場合、段差での突き上げが大きめで、個人差があるもののクルマ酔いを誘発しやすい。
ふたつ目が「電動駆動モーター制御」だ。加速方向はとても滑らかで、ツインモーター仕様はタイヤの回転角度にして0.022度(従来のBYD各BEVは7.5度)のスリップを検知して駆動コントロールを行っている。
反面、アクセルをオフにした(=ペダルから足を放した)際の駆動トルクの残りは若干大きい。ドライバーとしてはアクセルをオフにしているのだから、それに応じた減速度がすぐさま発生するものと身構えるものの、そこには100ミリ秒単位ながら加速感が残ってしまう。とくにアクセルを深く踏み込みサッと戻した際に強く、長くなる傾向で、リズミカルに走るぶん、山道では気になった。
BEVで気になる充電性能は?
充電は6kWhのAC普通充電と、最大105kWhのDC急速充電に対応する。BYD Auto Japanによると、SOC30%(外気温15度)からの急速充電(充電器出力90kWタイプ)では30分間で42kWhとほぼスペックどおりの充電量が得られたという。
これは約300~325㎞走行ぶんに相当する充電量だが、ここにはLFPバッテリーの特徴である充電時の少ない発熱量(充電開始時のバッテリー温度は約16度で30分間の充電後が約34度)も貢献している。
BEVながら現実的な価格設定も魅力的
車両価格は、シングルモーター仕様528万円(CEV補助金を含む実質価格は493万円)、ツインモーター仕様605万円(同570万円)。さらに導入記念として1000台限定の特別価格として、シングルモーター仕様495万円(同460万円)、ツインモーター仕様572万円(同537万円)での用意がある。
●シングルモーター仕様(BYD SEAL) 希望小売価格528万円 導入記念キャンペーン価格495万円
●ツインモーター仕様(BYD SEAL AWD) 希望小売価格605万円 導入記念キャンペーン価格572万円
※導入記念キャンペーンは、先行1000台限定のキャンペーン特別価格
BYDは日本市場において2023年の1月から2024年5月までの間で2,277台の販売実績を残した。6月6日現在の販売拠点は開業準備室を含めて全国で55、ショールームを完備する店舗数は30を数える。BYD Auto Japanでは、この数字を2025年末までには全国100へと引き上げる計画があるという。
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