IDやパスワードなどを入力し、場合によっては本人確認も必要になる通信事業者のサイトを経由するよりも、手順はシンプルだ。ただし、MVNOなど、一部の通信事業者はeSIMクイック転送に非対応。先に挙げたようにプラットフォームをまたがることもできない点には、注意が必要だ。
3つのeSIMを切り替えながら使う
デュアルSIMと同じ文脈で語られることが多いiPhoneのeSIMだが、格納しておけるキャリアは2つだけにとどまらない。機種にもよるが、8つのeSIM情報を書き込んでおくことが可能だ。ただし、そのうち有効にできるのは2つまで。残りのeSIMは、通信に使うことができない。別の場所に抜いたSIMカードをしまっておくことをイメージすれば、理解しやすいだろう。
とはいえ、SIMカードより切り替えは簡単。インストール済みのeSIMは「設定」アプリの「モバイル通信」にズラッと並ぶため、有効にしたいものを選択し、「この回線をオンにする」のボタンを押すだけでいい。すでに2つのeSIMが有効になっている場合、どちらか一方をオフにする画面が表示される。
そんなに回線は必要ない……と思うかもしれないが、複数回線を入れておくメリットは多い。例えば日本で、3キャリアぶんのeSIMを入れておけば、よほどのことがない限り通信を続けられる。普段はドコモとソフトバンクを使いつつ、万が一、そのどちらもが圏外だったり通信速度が出づらかったりしたときには、KDDIに切り替えるといったことが可能だ。
メインブランドだと料金がかさんでしまうが、povo2.0のように基本料が0円のオンライン専用ブランドもある。こうしたキャリアを組み合わせれば、基本料を抑えつつ、最強の通信環境を作れる。また、国内では2回線を使いつつ、海外用のトラベルeSIMを入れておく手もある。最近では、UbigiやAiraloといった、海外での通信に特化したサービスも存在する。こうしたeSIMを入れておき、渡航時のみ切り替えれば料金を抑えられる。
ほかにも、電話番号を使い分けたいときにeSIMの切り替えは有効だ。仕事用、プライベート用のほかに、コールセンターなどへの問い合わせだけに使う電話番号を持っておくといったことができる。普段オフにしていると着信も受けられないが、電話番号を教えたくないときに発信専用の番号を1つ持っておいてもいい。SIMカードに比べると入れ替えが簡単なため、複数回線を持ちやすくなったと言えるだろう。
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