「ミセス炎上」MV停止や即謝罪でも"延焼"の深刻度 ミセス・大森の謝罪は誠実だったのになぜ?

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問題映像の迅速な非公開化、メンバーによる素早い謝罪など、炎上後の対応はかなり徹底したものでした。

この映像に何の問題があるのかわからないという声も出る一方、現時点では、このような内容を題材にしてしまうセンスや歴史的背景への無知さ、公開されるまでのチェック体制の不備など、ミュージシャンと制作者双方へさまざまな批判が出ています。

不祥事などで炎上した場合、鎮火に向けて迅速に動くことは、危機対応として理にかなっています。また大森氏の謝罪内容も、真摯に反省を述べて他責や言い訳など交えないものでした。

しかし、適切な謝罪はもちろん大事ですが、残念ながら炎上の内容によっては、どれだけ誠意のこもった謝罪内容でも、すべて帳消しにできるわけではありません。

今回の炎上は今はまだ日本国内だけのものですが、人種差別や植民地政策という問題をはらんでおり、国際的にも批判を浴びかねない内容です。それだけに、このまま鎮火できるかは、まだまだ予断が許されない状況だと思います。

炎上を招いた「3つの要因」

今回、炎上を引き起こした要因は、3つあると考えます。

まずは、コロンブスという、時代によって評価が変わった歴史上の存在を安易にエンタメとして扱ってしまったこと。

そして、欧米列強による植民地支配や、ネイティブアメリカンやアフリカ系、アジア系など被征服住民への歴史認識が浅かったこと。

最後に、スポンサーがコカ・コーラという、グローバル企業であったこと。

これらが合わさって炎上の火ダネとなり、より延焼させてしまったと思います。

制作物において、差別や偏見、不快感を与える表現を用いないことは、「ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)」と呼ばれ、アメリカを中心に定着しています。いわばグローバルビジネスにおいても、ポリコレは常識となりました。

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