「生保業界のビッグモーター」にすり寄る生保 生保による過剰な便宜供与と利益供与が復活

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FPパートナーへの「募集人候補紹介」に、最も汗を流しているとされるのが、東京海上日動あんしん生命保険だ。関係者によると、あんしん生命の社員が、FPパートナーに興味がありそうな募集人を生保大手などから探し出して、グループの人材紹介会社、東京海上日動キャリアサービス(TCS)への登録を勧める。その後、TCSからFPパートナーに紹介するスキームになっているという。

SOMPOひまわり生命保険も負けていない。採用活動を担うFPパートナーの人材開発室に、ひまわりの社員2人を出向させているほか、各地でリクルートセミナーを開催。ひまわり生命のある社内資料には「セミナー集客数54人は全保険会社ナンバーワンを維持」「今後も引き続きセミナーへの集客をお願いいたします」とつづられている。

保険会社からFPパートナーへの紹介は、募集人だけではない。「リーズ」と呼ばれる保険契約の見込み客も、FPパートナーにせっせと無償で紹介している。FPパートナーによると、保険会社からのリーズ提供は「月1500件程度」(経営企画部)あるという。

リーズ提供は「はなさく(生命保険、以下同)、チューリッヒ、メディケア、アフラック、オリックスあたりが多い。各社ともホームページなどを通じて資料請求してきた人を、見込み客として紹介している」とFPパートナーの関係者は明かす。

見込み客の情報を1件1万1000円で販売

紹介を受けた見込み客の情報は、FPパートナーが自社の募集人に何と1件1万1000円で販売。それだけで同社には年間数億円の販売収入がある計算だ。リーズの販売収入は「売上原価から差し引く形で計上している」(経営企画部)のだという。

では、保険会社はなぜここまで、過剰ともいえる便宜供与を図っているのか。

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