実写「ワンピース」年間1位"びっくり!の凄さ" 「ウィッチャー」「ザ・クラウン」抑えぶっちぎり

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本命のグローバルの成績は日本のそれを上回ります。世界集計の「週間TOP10(英語TV部門)」で8週間にわたりランキング入りし、これまで93の国と地域で週間TOP10入りを果たしました。

同じく2023年に配信され、視聴を伸ばした作品と比較すると、ダークファンタジーシリーズの「ウィッチャー:シーズン3」は、グローバルでのTOP10入り記録が8週、個別の週間TOP10入りは92の国と地域に上り、英国王室物語を描く「ザ・クラウン:シーズン6」は8週、85の国と地域という結果です。

これらのランキング指標では「ONE PIECE」はNetflixで世界ヒットした作品の1つという認識に過ぎませんが、Netflixが2023年後半の視聴結果をまとめた「What We Watched: Netflixエンゲージメントレポート」第2版をみると、総視聴時間を作品の時間で割ったビューで差をつけています。

「ONE PIECE」は約7200万ビューを記録し、2023年に世界配信された約2500作品を数えるTV部門の中で断トツのトップです。2位のドイツ発スリラードラマ「汚れなき子」の約5300万ビューより大きく上回っています。

スト中でライバルが少なかった

ある意味、ラッキーだったのかもしれません。2023年はアメリカの俳優と脚本家が同時期にストライキを行った年だったからです。しかも長期戦でした。俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキは118日間、脚本家組合(WGA)は146日間に及びました。

ストライキの間にアメリカ全体で160以上の作品の制作が完全に止まっていたことがイギリスのリサーチ会社Omdiaによって報告されています。Omdiaの調査によれば、アメリカの主要メディアの中で影響を受けた番組数が最も多かったのはNetflixでした。世界的人気シリーズの「ストレンジャー・シングス」の新作を含む約25本の制作が停止した状態に陥ったそうです。

このストライキによって、撮影準備やプロモーションの時期がずれ込んだアメリカ発の作品は確かにあり、実写の「ONE PIECE」はアメリカ全体で通常よりもライバルが少ないタイミングで配信できたと言えます。

それでも、日本の漫画を実写化した作品が残した実績のインパクトは大きいはず。今はハリウッドから生まれた作品ばかりが人気を占めるだけでなく、Netflixの非英語のシリーズや映画は視聴全体の3分の1近くを占めていることがわかっています。

最も視聴されているのは韓国、次いでスペイン、日本と続きます。日本由来のコンテンツにまだまだポテンシャルがあるなかでの「ONE PIECE」の快挙でした。

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