ソニーがアニメ事業へ「超本気」で踏み込む胸算用 日本のアニメ業界が抱える"闇"を払拭できるか

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経営説明会で吉田憲一郎会長はクリエーター支援の方針を強調した(撮影:尾形文繁)

「アニメは世界に通用するエンターテインメントだ。非常にニッチだったアニメが大きなインダストリー(産業)に育ちつつある。ソニーもクリエーションで貢献していきたい」

ソニーグループの吉田憲一郎会長は、5月23日に開いた経営方針説明会でグループとしてアニメ産業への支援を従来以上に手厚くする方針を明らかにした。

具体的には、海外でアニメのクリエーターを育成するアカデミーの設立を検討するほか、アニメ制作専用のソフトウェアを今年度中にもグループのエンジニアが開発する。このソフトは将来的な外販も含めて投資を強化する計画だ。

アニメで実績を積む

ソニーはアニメビジネスの拡大に成功している。傘下の製作会社アニプレックスが手がけた「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は、興行収入で「千と千尋の神隠し」を抜いて歴代1位となった。

アニプレックスの傘下にはA-1 PicturesやCloverWorksといった有力アニメ制作スタジオも抱える。2021年には海外向けのアニメ配信サービス、Crunchyroll(クランチロール)を約1300億円で買収したことで、配信機能も獲得した。

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