「うちの子は凄い」ある夫婦が定期的に語り合う訳 「夫婦でほめタイム」が子どもの精神を安定させる

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居間に飾られた娘さんの絵。飾られているのは居間の目立つところで、きちんと額装されているものもあります。こういうのも、娘さんへの肯定感が表れているなと感じました(写真:筆者撮影)

「夫婦でほめタイム」で家族の精神が安定する

「ほめる子育て」はよく聞きますが、「夫婦ふたりのときに子どもをほめる」というのは私は初めて聞いたやり方で、興味深いと感じました。

親は、子どものこととなると、不安になったり心配になったりしがちなものです。でも、そんな不安はいったん脇に置いて、子どものいいところをみつけだし、それを言語化していく。そういうことをパートナーと一緒にできたとしたら、夫婦の精神は安定しますし、それはひいては子どもの精神安定につながると思うのです。不登校や受験期など、ネガティブな部分ばかり見てしまいがちなときは特に有効だろうと感じました。

ところで、ヤスコさんは高校時代にアメリカに1年間留学したことがあるそうです。その留学時代のホストマザーが、ご本人の息子さんたちもヤスコさんのこともほめまくる人だったそう。ほめてくれるうえに、できなかったことを報告してもポジティブな言葉を返してくれる。

たとえば、まだ英語が下手でビクビクと暮らしていたヤスコさんに「ここまでできてるんだから、絶対にできるようになるよ!」「友達も必ずできるよ!」と常に前向き。それまでの人生であまりほめられ慣れていなかったヤスコさんは最初こそ違和感があったり、素直に受け入れられなかったそうですが、だんだんと慣れるうちに「ほめられるっていいな」と思えるようになったそうです。

自分が親にあまりほめられなかったこと、ホストマザーにほめられまくってうれしかったこと。そんな経験が、このほめタイムにつながっているのかもしれません。

さて、次回は、このご夫婦の家事育児分担について紹介します。子育ての連携については息があってそうなおふたりですが、家事育児分担については、もめるときもあるようなのです。

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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