仕事できない「勉強熱心な人」が驚くほど多い理由 「丸暗記」ばかりの"フレームワーク信者"は不要

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少し本質的なお話をしましょう。数学のテスト直前に公式を暗記しようとする学生を例に挙げました。しかし、すでに完成された公式にあてはめて答えを導くことは数学ではないのです。数学とは、完成された公式をベースに、「考える」ことで自ら公式のようなものを見いだすことです。公式を丸暗記することと、真逆の立場であることにお気づきでしょうか。

フレームワークも数学における公式と同じです。丸暗記するのではなく、自ら主体的に考えなくてはいけません

それでは次に、フレームワークをただ暗記することがなぜ問題なのか、説明しましょう。

フレームワークの暗記が危険な2つの理由

理由は2つあります。

①永遠にフレームワークを求める人間になるから

もし私が「ビジネスパーソンが仕事で使うフレームワークは全部で100個あります」と言ったら、彼らは平気な顔をしてその100個を覚えようとすることになります。Aという場面ではXを使う。Bという場面ではYを使う。Cという場面ではZを……というように、とにかく正解を出したいのでしょう。しかしこれではキリがありません。

ビジネスの世界はあっという間に変わります。今は100個のフレームワークを覚えればよくても、すぐに200個必要になったり、あるいはせっかく覚えたフレームワークがすぐに使えないものになったりします。いますぐ役立つものは、すぐに役立たなくなりうるのです。

私の提唱する「数学的」とは公式に当てはめて正解を導くことを指しません。自ら公式のようなものを見いだすように仕事をすることです。

そういう意味で、先ほどの参加者たちの質問する内容はまったく数学的ではありません。成果を出し続ける人とは真逆の思想を持ってしまっていることに気づいてもらう必要があります。

②みんなと同じ答えしか出せない人間になるから

もうひとつの問題点は、フレームワークを強く欲し、その効果を信じすぎていると同じ答えしか出せない人間になるということです。

繰り返しですが、フレームワークは数学の公式と同じです。公式に当てはめれば答えは出せます。しかしそれは(当たり前ですが)誰がやっても同じ答えになります。学生時代ではそれで「◯(マル)」がもらえたとしても、ビジネスの世界ではあまり意味がありません

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