「グリコ出荷停止騒動」6月へ再開延期の切実事情 店頭の「プッチンプリン」が約2カ月消える背景

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今回影響が生じているチルド商品には、牛乳やヨーグルトなどの日配品(毎日配送される賞味期限の短い食品)も含まれている。これらは倉庫での出入庫のスピードがほかの商品よりも早く、データ修正の作業をしっかり間に合わせる必要がある。

出荷再開に向けて1日の業務が正常に行えるかなど、一連のプロセスを検証してから具体的な再開の見通しを検討するという。

再開時期の延期で、業績への影響が懸念される。長期間、店頭に在庫が補充されないことによる機会損失はもちろん、日配品の廃棄などもありそうだ。当然、人件費など危機対応の費用もかかっているだろう。

グリコの今2024年12月期第1四半期決算(2024年1~3月期)発表は、5月8日の予定。

2024年度の売上高は前期比5.5%増の3510億円、営業利益は同2%増の190億円を見込んでいた。値上げ効果やアイスクリーム、ヨーグルト、アーモンド飲料などの伸びを織り込んでいた。しかし今回の障害の影響を受けて、業績予想修正などの可能性もありそうだ。

システム改修を着実に実行し、6月の再開を確実なものにできるか。グリコの正念場が続く。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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