不振のグッチ「日本だけが好調」その"カラクリ" ヴィトンも何度も値上げしても日本は伸びる

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ギオニCFOはアジア市場(日本を除く)が前年同期比減となった理由を、「中国で2022年末にゼロコロナ政策が終了し、ロックダウンも解除されたため、2023年1~3月の数字が非常によかった。その反動減だ」と説明した。

たしかにLVMHの2023年1~6月のアジア地域(日本を除く)の売り上げは前年同期比34%伸びている。

LVMHのアジア地区(日本を除く)の店舗数は昨年12月末時点で1年前から174店舗増えて2003店となり、世界で一番多い。急激な成長が一服したというわけだ。

日本市場が伸びているカラクリ

LVMHが中国人の需要が強いと考える根拠は、中国外の市場にある。

同社は「2024年1~3月の中国人によるルイ・ヴィトンのファッションとレザーグッズの世界需要が前年同期比約10%増加し、特に日本市場の伸びに影響した」と分析した。事実、日本市場の売上高は同32%増えた。

中国本土の消費者が海外旅行を再開したことで、免税などを受けられる国外で買い物をする動きが加速し、円安が進み割安感が際立った日本での購入が増えたということだ。

ギオニCFOは「(グローバルでの価格のバランスを取るため)日本では昨年も何度も価格を引き上げた」とも語った。

LVMHは2023年の決算でも、中国人のインバウンド買いにしばしば言及していた。2023年4~6月の売上高は全体の4分の1を占める北米市場が1%減少したが、日本を含めたアジアが補った。この時の日本の売上高は前年同期比29%、アジア(日本を除く)は同34%上昇した。

LMVH 中国 
中国のルイ・ヴィトンの店舗(写真:アフロ)

中国現地メディアによると、アジア(日本を除く)以外の売上高に占める中国人の消費額は、2022年の15%から2023年は30%まで伸びた。

特に距離的に近い日本への影響は大きく、「中国人旅行者のヨーロッパでの消費はまだ回復していないが、日本では急回復しており、コロナ前の2019年の水準に近づいている」と語っていた。

バーキンで知られるエルメスも、売上高、純利益ともに2ケタの伸びを示した同社の2023年12月期の通期決算からは、LVMHと近しい動きが見える。

売上高を地域別にみると、欧州、アメリカ、アジア太平洋地域(日本を除く)の売上高の伸びはいずれも20%前後で、日本は25.7%増と突出している。

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