再編必至の電炉40社、電力不足に原料高も追い打ち

新日鉄・住金の合併で電炉再編も進むか

これまでも再編の胎動はあった。06年に新日鉄子会社の大阪製鉄が独立系の東京鋼鉄の買収を発表。だが、投資ファンドなどから株式交換比率が低いとの反発が起こり、東京鋼鉄の臨時株主総会で否決されてしまった。09年には住友金属工業系の共英製鋼と独立系の東京鉄鋼との間で合併計画が持ち上がったが、公正取引委員会の審査が長期化。結局、事業売却などの条件をつけられかねないとの判断から断念するなど、うまく進まなかった。

今、関係者の注目を集めているのが、新日鉄と住金の合併だ。両社は12年10月の合併を目指しており、公取委の審査が進んでいる。

新日鉄は大阪製鉄、合同製鉄、王子製鉄、中部鋼鈑、中山製鋼所と系列に有力電炉を抱える。5社合計の生産量は400万トンを超え、JFE4社の統合を上回る。住金系列の共英製鋼が加われば、さらに規模は大きくなる。新日鉄と住金の合併審査の結果は今秋にも出るとみられる。承認されれば、グループの電炉メーカーだけにとどまらず、業界全体で再編が一気に進む可能性はある。

需要低迷、原料高騰、電力コスト上昇の“三重苦”に直面する電炉メーカー。先行きが厳しい中、苦境脱却に向けた再編の足音は確実に大きくなっている。

(本誌:山内哲夫 =週刊東洋経済2011年8月6日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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