再編必至の電炉40社、電力不足に原料高も追い打ち

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縮小

存在感増す中国と韓国 スクラップ高騰に拍車

前期は最大手の東京製鉄が91億円の営業赤字を計上したのをはじめ、上場している11社のうち、6社が営業赤字となった。原料となる鉄スクラップと製品価格の差である、メタルスプレッドが1万円超も縮小(図)したことが原因だ。上場来初の赤字となった朝日工業の赤松清茂社長は、「スプレッドが3万5000円あれば、安定的に経営できる。だが3万円を切るとスレスレだ」と悲鳴を上げる。

スプレッド縮小の背景には、国内建設需要の先細りがある。電炉メーカーは、工場の生産過程や廃車など使用済み製品からできる鉄スクラップを、電気炉に投入して鉄を生産する。主要な製品は鉄筋棒鋼などの建設用資材だ。新日本製鉄やJFEスチールなど、鉄鉱石と石炭を原料に使う高炉メーカーが得意としている自動車や造船向けなど高品質の鋼板は、ほとんど手掛けていない。「内需の建設向けが中心であり、05年度に人口のピークを迎え少子高齢化の中で漸減傾向。公共投資も財政抑制が続いており、今後も縮小するしかない」(鉄リサイクリング・リサーチの林誠一代表)。

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