みずほ株主、「なんでこうも不祥事が続くのか」 セクハラなど不祥事への批判が相次ぐ

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このほか、コーポレートガバナンス上、注目された株主提案があった。株主総会を7月に開催してはどうかという提案だ。具体的には、株主を確定する基準日を、「3月末」から「5月末」に変更し、株主総会の招集時期を「基準日後3カ月以内」から「基準日後2カ月以内」に定款変更するという提案だ。このとおりになれば、株主総会は7月下旬などに開催できる。このことは三つのメリットをもたらすと、提案株主は主張した。

提案株主の主張とは?

まず、基準日から株主総会までの期間が短くなること。この期間が3カ月あると、この間に売ってしまう株主もいる。しかし、2カ月になれば売ってしまう株主は減るのではないか。

二つ目は有価証券報告書を見てから株主総会に出席できること。有価証券報告書は事業年度末から3カ月以内の提出が求められているため、3月決算のみずほの場合、6月末までに提出する必要がある。これまでは株主総会後の6月下旬に提出されていたため、総会時点では1年前の有価証券報告書しか見ることができなかった。それが7月総会となれば、直近の有価証券報告書を見ることができる。1億円以上の報酬を受け取っている役員がいれば、有価証券報告書で開示しなければならないので、その有無を確認したうえで総会に出席できる。

三つ目は、検討期間を長くできること。決算期末から総会まで4カ月ほどあるので、招集通知の発送から総会開催までの期間を長くとることができるはず。その分、検討する期間を長く持てる、というわけだ。

経済産業省の「株主総会のあり方検討分科会」でも、3月決算会社が7月に株主総会を開催する方法について検討されており、日本企業全体の課題でもある。

これに対し、みずほの取締役会は「本議案に反対します」と表明した。理由は三つ。まず、取締役の任期が1年であることを勘案し、事業年度終了後、速やかに新事業年度の役員体制を確立することが重要と考えている。次に、今年から招集通知を発送する前に総会議案はWebで開示しており、総会までにおおむね4週間程度を確保している。最後に、総会の開催時期について議論があることは承知しているが、当社としては可能なかぎり速やかに6月中に開催することが適当と考えている。以上から、本議案のような定款変更は不要と考えているという。

総会決議では、結局、株主提案はいずれも否決された。総会にかかった時間は2時間31分。昨年の3時間34分より1時間ほど短かった。

福田 淳 東洋経済 記者

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ふくだ じゅん / Jun Fukuda

『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などを経て編集局記者。

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