中国の電池業界「過剰な値下げ合戦」が迫る淘汰 億緯鋰能のトップが「理性的な競争」を呼びかけ

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韓国の市場調査会社SNEリサーチのデータによれば、2023年の車載電池のグローバル市場において、首位のCATLは36.8%、第2位のBYDは15.8%のシェアを獲得。両社だけで世界市場の半分を押さえた。

CATLとBYDの2強が激しく競うなか、下位メーカーは淘汰のリスクが高まっている。写真は自社製の電池を搭載するBYDのEV(同社ウェブサイトより)

だが、2強以外の中国企業の市場シェアはいずれも1桁台にとどまる。具体的には第6位の中創新航科技(CALB)が4.7%、第8位の国軒高科(ゴーション・ハイテク)が2.4%、第9位の億緯鋰能が2.3%、第10位の欣旺達電子(サンオーダ)が1.5%だった。

技術・品質の向上に専念を

「かつての電池業界では、会社の売上高が2億元(約41億円、1元=約21円)を超えれば黒字化できると言われていた。だが今は、売上高が数十億元になっても赤字のメーカーがある」

劉董事長は下位メーカーの実態をそう述べ、「電池業界は本質的な競争に立ち戻らなければならない。むやみやたらな値下げ合戦をやめ、自社の技術と品質のレベルアップに専念すべきだ」と訴えた。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

億緯鋰能を含む下位メーカーがいま最も恐れるシナリオは、CATLとBYDがさらなる値下げ競争を仕掛けてくることだ。2強同士の争いに巻き込まれれば、体力が弱った下位メーカーは致命傷になりかねない。

一部の下位メーカーはすでに深刻な経営危機に直面している。例えば香港証券取引所に上場する瑞浦蘭鈞能源(REPT)は2月29日、2023年の最終損益が18億~20億元(約373億~414億円)の赤字になるとの見通しを発表した。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は3月18日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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