由布院を抱える久大本線に対して、県南部の山間部、竹田や豊後大野などを通っているのが豊肥本線である。
こちらは路線名の通り、熊本と大分を結ぶのがその役割。ハイライトは阿蘇の外輪山を巡る区間だが、全線で約150kmのうちおおよそ半分は大分県内を走っている。
久大本線の「ゆふいんの森」と同じように、こちらにも観光列車が走っている。その名も「あそぼーい!」。ルーツは1988年に登場した「あそBOY」にあり、九州新幹線全線開業にあわせて2011年に再デビューした。
当初の運行区間は熊本県内だけだったが、熊本地震によって豊肥本線の一部が運休中に大分県に乗り入れ、全線復旧後のいまも大分・別府駅まで走っている。
このほか、かつては肥薩線にも乗り入れていた「九州横断特急」も熊本―大分・別府間で走る。熊本と大分は、文字通り九州を横断して3時間ちょっとだ。
大分の“鉄道”は3路線
と、ここまで見てきた日豊本線・久大本線・豊肥本線の3路線。これが、大分県の鉄道のすべてだ。2023年夏までは(長期運休中ではあったが)日田彦山線というローカル線が日田駅付近でほんの少しだけ大分県内に乗り入れていた。けれど、これも2023年夏にBRTに転換されてしまい、純粋な意味での鉄道としては3路線だけだ。
別府ではロープウェーとケーブルカーが営業しているが、純粋な鉄道かといわれるとちょっと違う。鉄道が3路線以下の都道府県は、大分県を除くと実はモノレール一本やりの沖縄県だけだ。
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