サービス強化で価格競争を回避へ--コニカミノルタホールディングス社長・松﨑正年
新興国はカラー機もモノクロ機も伸びている。しかし、主要先進国では、複合機など事務機のマーケットは縮小傾向にある。台数、金額ともに、高い成長率が望めない。背景には、顧客企業が印刷関連のコスト意識を高めていることがある。
拡大しないパイを価格競争で奪い合っているだけでは、収益性がよかった事務機事業も悪くなる一方だ。そこで、新中計では情報機器の「カラージャンルトップ」戦略を掲げた。得意分野での製品拡充をベースに、プロダクションプリント(商業印刷機)におけるミッドレンジ(中価格帯)製品の投入や、新興国での展開を加速していく。
また、顧客ニーズが変化しているのに、これまでと同じようにプロダクトアウト的なビジネスを展開していたのでは価格競争に巻き込まれてしまう。そこで、サービス事業を強化し、あまり取り組んでこなかった、グローバル企業へのアプローチも積極化する。
このサービス事業では、ゼロックスが先行しているとは思っていない。こういったライバル企業が展開しているものと、コニカミノルタのサービスとは違うものだ。顧客も直接的にバッティングしていない。
人事は“形式”を意識しない
新中計で「規模拡大」を打ち出したが、これは大幅にシェアを伸ばす、という意味で言っているのではない。規模は、あくまで利益の規模だ。