感心したのは、路面の影響を受けず走れたこと。思い出したのは、40年くらい前に後輪駆動の700シリーズで冬のスウェーデンを走ったときのこと。このときは雪も多く、車両の挙動が不安定になりがちで、かなり緊張したものだった。
「クルマは、どんな路面状況でも同じようなハンドリングを持つことが重要であると考えています。ドライバーの入力(ハンドルを動かしたり、加速や減速をしたりすること)に素直に反応することと、(滑り始めるなど)なにかあっても、車両の動きが唐突でなく予測可能であることが、ドライバーに自信と安心感を与えるのです」
前出のエクストロム氏はそう説明してくれたが、実際にその言葉どおりで、ミシュランの「X-ICE NORTH4」というスタッド(鋲うち)のスノータイヤとのコンビネーションは抜群。200km以上にわたり冬のスウェーデンをEX30でドライブして、焦った場面は一度もなかった。
それに、ハンドリングが「スノータイヤの影響を受けている」と感じることも少なく、切ったときにぐにゃりとして反応が遅くなるように思えた場面もなかったのには感心した。
安定感のシングルモーター、よく曲がるツインモーター
ボルボはオマケ(というかこちらが本番か)で、特設コースでのドライブも体験させてくれた。凍結湖を使い、短い間隔のコーンが並べられたコースと、間隔をうんと長くして速度が上げられるようにしたコース、そしてブレーキングとステアリングのコンビネーションを試す、3つで構成されていた。
はたして、シングルモーター・エクステンデッドレンジのEX30は、ひとことで言ってたいへん扱いやすい。スラロームのとき、ハンドルを操作して舵角を決めたあと、強めにアクセルペダルを踏み込むと、リアが流れだす。
「お、いいね。楽しい」と思うが、つぎの瞬間、動きは収束してしまう。なるほど、安定していて、実際の道ではかなり安心な設定だ。
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