シニアの長期投資は「ネットより対面」薦める根拠 安い手数料が思わぬ弊害につながる危険性も

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取引手数料が安いということは、保有株が値上がりすると、すぐにでも売って値上がり益を確定したいという気持ちにさせる誘因となる。

あえて誤解を恐れずにいえば、手数料が安いことは頻繁に売買を繰り返す「バクチ」取引への導火線となる恐れがある。

それは私が提唱している長期の高配当利回り投資に反する。

さらにネット証券では、投資家は孤独になりがちだ。個人投資家は、専門家と相談し、議論を重ねながら、投資の経験を積んでいくのが良いと思っている。

その点で、対面証券の営業担当者は格好の相談相手となる。

売った、買っただけの話でなく、税金や確定申告、新NISA、相続問題など投資に絡む初歩的な質問でも丁寧に答えてくれる。

IPO(新規公開株)投資の情報を引き出せることも

また対面証券では折に触れてIPO(新規公開株)投資の有益な情報を得ることができる。

IPO投資とは、企業が新規に株式を上場公開する前に、投資家が証券会社の抽選に申し込むことで株を公開価格で買う権利を手に入れて、上場当日やその数日後についた値段で売却して利益を出す投資手法だ。

新規公開株は公開価格を大きく上回る初値(上場日に初めてつく株価)がついたり、上場後に人気化して大きく値上がりすることが多く(例外があるので要注意!)、IPO抽選に当たるだけで簡単に利益を出せる投資法だ。

営業担当者と懇意にしていると、このIPO抽選会の開催情報を教えてもらえることがある。

ただしこうした短期売買は長期投資の趣旨から外れている。参考情報として聞きとどめるだけにして欲しい。

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