大学生と企業が手を組んだキャンピングカーの姿 学生がデザインを担当、限定7台で販売が決定

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そんな同大学では、在籍する全学部の学生が履修可能な共通教育科目「社会実践力育成プログラム」を行っている。これは、約50種類の地域や企業などとの連携プログラムを用意し、学生が社会実践力を身につけることを目的とするもの。今回製造された新型キャンピングカーのアコロは、その一環となる「キャンピングカーの新しいデザイン提案」という授業から生まれた。

京都精華大学で行われた授業の様子
京都精華大学で行われた授業の様子(写真:京都精華大学)

同校で初の試みとなる当授業には、前述のとおり、キャンピングカーランドとレクビィが参画した。発端は、2社が京都精華大学へキャンピングカー制作プロジェクトという連携事業を提案したことだ。これは、学生たちへデザイン案などを出してもらい、それをもとに、創業40年を誇る老舗ビルダーのレクビィがモデルを製造。販売のプロであるキャンピングカーランド各店舗(埼玉、名古屋、岐阜、京都)で発売するというものだ。

企業も学生の発想に注目する

キャンピングカーランドとレクビィの主な目的は、Z世代の若い学生たちへキャンピングカーを普及させること。また、従来とは異なる新しい発想のモデル開発などを目指したという。一方、制作系の学部が主となる京都精華大学としても、学生たちにデザイン開発や商品のマーケティング、販売方法など、キャンピングカー業界ならではの貴重な体験をさせられるということで、3者のコラボレーションが決まった。

学生によるプレゼンテーションの様子
学生によるプレゼンテーションの様子(写真:京都精華大学)

2023年6月~7月、5回にわたって開講された授業には、デザイン学部プロダクトデザイン学科の2年生を中心に、デジタルクリエイションコース、メディア表現学部など複数の学部から約20名が参加。キャンピングカーに関する基礎知識を学んだあと、1人ずつ企画案のプレゼンテーションを行い、それらをもとに、グループごとに選出案を制作した。

次ページ限定7台で販売される新型キャンピングカー「アコロ」とは?
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