岸田首相が「政倫審出席」という"捨て身の大博打" 「5人衆」追い詰め、森、二階氏に"圧力"も

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また、出席者1人当たりの持ち時間は1時間20分とし、まず議員自身が15分間弁明、それを踏まえて各党委員が1時間5分の質疑を行うことも確認された。政倫審に現職の首相が出席するのはこれが初めてで、議員が出席して弁明を行うのは2006年以来となる。また、これに合わせて予算案採決の前提となる29日の中央公聴会開催も決まった。

「派閥解散」宣言が“成功体験”に

一連の決定を受け、政府・自民党は3月1日の政倫審開催後、週末の3月2日までの予算委締めくくり質疑と採決と予算案の衆院通過を目指す。ただ、野党側は審議時間不足と週末開催拒否で衆院通過を週明けの4日にすべきだと主張しており、最終的に予算案は4日午後の衆院本会議で可決、同日夕にも参院予算委審議が始まるケースも想定される。

その場合、憲法の規定で予算の自然成立は30日後の4月2日となり、年度内成立の「保険」はなくなる。ただ、参院自民側は「審議促進によって3月29日までの予算成立は可能」(国対幹部)としており、野党側も、能登地震対策が含まれる予算成立を遅らせることによる国民的批判を恐れ、実質的に年度内成立に協力せざるをえないのが実態とされる。

そうした中、今回の岸田首相の決断について、周辺からは「1月18日の派閥解散宣言と同じ手法で、あのときの成功体験が今回の決断につながった」(側近)との見方が出ている。これまでも政権危機が強まるたびに岸田首相が突然決断することで事態打開につなげてきたのは事実だからだ。

しかし、ここにきて「その手法自体が国民に見透かされている」(自民長老)とされ、内閣支持率も過去最低を更新し続けている。このため、今回の決断を踏まえ、裏金事件での国民の怒りにも対応するには、「企業献金も含めた抜本的な政治資金法改正が必須」(同)とされそうだ。

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