事実上与野党合意での開催が決まりかけていた28、29日の政倫審開催が、27日夜の自民党内の混乱で先送りとなったことが、岸田首相の突然の決断の背景にあることは間違いなさそうだ。
岸田首相は同夜、周辺に「自分が決断するしかない」と漏らしたとされ、28日昼前、首相官邸でのインタビューで「自民総裁として政倫審に自ら出席し、マスコミオープンの下で説明責任を果たしたい。また、志のある議員に、政倫審をはじめ、あらゆる場で説明責任を果たすことを期待する」と記者団を見回しながら決意表明した。
併せて岸田首相は「(政倫審)開催の見通しが立たないのは極めて残念だ。今の状況のままでは国民の政治に対する不信がますます深刻になってしまうと強い危機感を感じていた」とも強調した。
29日、3月1日に政倫審、中央公聴会も29日開催
これを踏まえ、浜田靖一・自民国対委員長は安住淳・立憲民主国対委員長と国会内で会談し、岸田首相の意向を正式に伝達。それを受けて立憲など野党4党は国対委員長会談で、岸田首相の政倫審出席に応じることを確認。併せて、安倍、二階両派の5人の政倫審出席が確定しない限り、予算案の日程協議に応じないことでも一致した。
これを受けて開かれた政倫審幹事会で、テレビ中継も含め、報道機関に全面公開する形で、29日と3月1日に審査会を開催することが決定。具体的には29日に岸田首相と二階派の事務総長を務めた武田良太元総務相が、翌3月1日には、安倍派事務総長経験者の西村康稔・前経済産業相、松野博一・前官房長官、塩谷立・元文部科学相、高木毅・前国対委員長の4氏が出席する。
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