「静かな人」の脳内で活発化しているすごい能力 実験で内向型の人の能力が科学的に証明された

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興奮剤を服用した外向的な人々は、興奮剤を使用していない状況でもビデオを見て興奮していました。一方、内向的な人々は、興奮剤を服用したかどうかに関係なく、ビデオの視聴時の状態に変化はありませんでした。内向的な人と外向的な人とでは、興奮の感情の処理方法が決定的に違ったのです。脳の構造の違いにより、内向的な人は興奮を求めず、「冷静さ」を示したのです。

「自分の内面」に注意を向ける

では、この「冷静さ」はどんな脳の構造の違いから来ているのでしょうか。科学的にも内向型と外向型では脳の働きが違うことが明らかになっています。

例えば、デブラ・ジョンソンは、陽電子放射断層撮影法(PET)を用いて内向型と外向型の脳の働きを実験しました。ジョンソン博士は、アンケートの結果から内向型と外向型にグループ分けされた人々に、横になってリラックスしてもらいました。

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被験者たちは少量の放射能を血液中に注入され、脳のどこが最も活性化しているかを特定するためにスキャンにかけられました。画像上には、赤や青などさまざまな明るい色により、脳のどこにどれだけの血液が流れているかが示されました。

その画像からは大きく2つのことがわかりました。まず、内向型の人の脳に流れる血流量が外向型の人よりも多いことが判明しました。血流量が多いということはそれだけ活発に働いていることを示します。

また、内向型の血液が外向型に比べて、「思考」に携わる部分に流れていることもわかりました。記憶したり、問題を解決したり、計画を立てたりといった内的経験に関わる部位に流れていたのです。

一方、外向型は視覚や聴覚、触覚など感覚情報を処理する脳の各部へと流れていました。

実際、被験者にインタビューすると、外向型の人は研究室で起こっていることに注意を払っていましたが、内向型の人は自分の「内面の考えや感情」に注意を払っていました。

この実験からも、人間が自分の外側に関心を向けるか、内側に向けるかが外向型と内向型で分かれていることがわかります。実験中も内的世界に関心を寄せる内向型は、自分が知らないような事態に遭遇しても、これまでの経験に思いを巡らせて問題を解決しようとするため、冷静でいられる可能性が高いといえます。

内向型が予測不能な状況下でも落ち着いて対処できるというのは、決してイメージだけの話ではないことがわかったはずです。

現代は不確実性が高い時代といわれています。それはここ数年で皆さんも感じているはずです。そして、ますます不確実性は増すはずです。内向型の持つ冷静さが求められる時代になったといってもいいでしょう。

大山 栄作 精神科医

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おおやま えいさく / Eisaku Ooyama

米国・精神科医。自身も内向型。マンハッタン精神医学センター精神科医。安心メディカル・ヘルス・ケア心療内科医。米国精神神経学会認定医。米国精神医学協会(APA)会員。1993年東京慈恵会医科大学卒業。聖路加国際病院 小児科、慈恵病院 精神科を経て、埼玉県立越谷吉伸病院 精神科医長。2005年よりシティ・オブ・ホープ・メディカル・センター、ハーバーUCLAメディカルセンターにて、精神疾患の分子生物学的研究に従事。2012年マウントサイナイ医科大学精神科研修修了、現在に至る。日本で10年以上、米国で10年以上の臨床経験をもつ。

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