タイで堪能「2470円」ブルートレインのヒルネ旅 チケットは争奪戦、湖の上を走る人気列車

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上りは15時30分に出発。暑さにやられ、上段の寝台でヒルネ(寝台を使用しない時間帯に寝台を使用できる制度を通称「ヒルネ」と呼んだ)をしていると、下でF氏とコンパートメントの向かいのフランス人の男性カップルが話している。タイ在住で国内外を2人であちこち出かけているらしい。

日本に来た時の写真もたくさん見せてもらった。最近ではこうした車内でのコミュニケーションも減る一方だが、コンパートメントという形式、そして同じ列車にあえて乗ってきた一体感からか、会話が弾んだ。

やがて列車はアユタヤ駅に17時8分の定刻に到着。ここで下車し、翌日アユタヤ観光をすることにした。

JR全線も完乗したF氏は今回の24系の旅について次のように語ってくれた。

「寝台車で日本各地を旅行していた頃は“寝台料金が高い”とか“個室寝台のほうがいい”などと考えていましたが、日本から寝台車がほぼ消滅してしまうなんて夢にも思いませんでした。

ダム湖の上を走る景観やヒマワリ畑も良かったけれど、当時の面影を色濃く残した寝台車で1日ゆっくりと旅することができたのが最高の思い出です」

「瞬殺で残席ゼロ」 

現在タイ国鉄はこうした企画列車を含めて「Dチケット」と呼ばれるサイトで予約することができる。

「フローティングトレイン」が発売開始となるのは、1カ月前のタイ時間午前8時30分(日本時間の10時30分)。ただし、発売が遅れることがよくあり、筆者が乗車した1月20日分のチケットは12月21日に発売開始となった。

「Dチケット」のサイトの下に「Exploring Thailand by Train」という項目があり、そこに運行される時期のみ「Pa Sak Jolasid」という項目が表示されるので、そこからクリックして予約を行う。

座席には4つのカテゴリーがある。

1等座席(エアコン) 590バーツ(約2470円)
2等寝台(エアコン JR西日本の24系) 590バーツ(約2470円)
2等座席(エアコン JR西日本の14系) 500バーツ(約2100円)
3等座席(ノンエアコン) 330バーツ(約1390円)

時報に合わせてクリックしたものの、3等座席以外はすべて売り切れ。その3等座席ですら、瞬く間に座席がなくなっていく。結局、3等座席しか確保できなかった。

だが、キャンセル分が再度リリースされるのか、出発までしぶとくサイトに入ってチェックし、かろうじて2等寝台を確保することができた。特に出発前々日の早朝から朝にかけて多くリリースされるようだ。

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