乗る前の期待感からいうと、「軽いフットワークを感じさせる仕上がりかな」と思っていたが、実際は重厚感が勝っていた。なるほど、大型のレクサス車からの乗り換えでも、受け入れられるキャラクターだ。目的に対して上手に仕上がっている印象だ。
さらに、LBXにはもうひとつのモデルが控えている。「スポーティなドライビングが好きな方向けには、1.6リッターガソリンエンジンモデルを開発中です」。遠藤CEはそう明かす。
2024年1月の「東京オートサロン2024」で壇上に置かれた「LBX MORIZO RR CONCEPT」をベースに、量産型とするモデルが計画されているのだ。
ショー会場で会ったとき、遠藤CEが「(LBX MORIZO RR CONCEPTの開発の眼目は)反応のよさ」と語っていたのを、私はよく覚えている。イエローをアクセントカラーにした車体は、クルマ好きにはたいそう魅力的に見えたものだ。
ヒエラルキーにとらわれないクラスレスの価値
遠藤CEの話などを聞いたうえでLBXを経験した私は、フォルクスワーゲン「ゴルフ」を連想した。ゴルフがヒットした理由として、“クラスレス感覚”が取り沙汰されたものだ。
廉価な大衆車としてのハッチバックでなく、大型セダンやクーペから乗り換えても遜色のない出来のよさとデザインで、ゴルフは広い層に受け入れられてきたからである。
さらに、ゴルフというブランドを盤石なものとしたのは、高性能モデル「GTI」の設定だった。
アウトバーンでポルシェに挑める性能を持つハッチバックという、カテゴリーを超越した存在となった伝説の1台だ。
「LBXで目指すのは現代のゴルフですか?」と私が尋ねると、遠藤CEは「考えてもいませんでした」と否定したが、少なくとも乗る立場としては、「IS」の上に「ES」がありその上にLS……、といった縦のヒエラルキーにとらわれないモデルだと思う。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら