それから3年ほどは地道に木の成長を待たねばならなかったが、困難を乗り越えることで得たものもあるという。
「家族で支え合うことはもちろん、地元の人々にもたくさん助けられました。ヴィーショラワインという私たちマルケ人の伝統が、 人々を団結させてくれた」。困難な時期があったからこそ、地域が一丸となって助け合えるようになったのだとジゼッレさんは言う。

ヴィーショラのジャム。イタリアで最も権威あるガンベロ・ロッソ社発行の食の格付けガイドブック「トップ・イタリアン・フード」に掲載されるなど、高い評価を受けている(写真:カンティーナ・デル・カルディナーレ提供)
桜の花の季節に思いを馳せて
ルーカさんは今、日本の「花見」の文化に興味があるという。「僕たちも、ヴィーショラの花の季節には特別な思い入れがあります。ぜひ、ここでも日本人のように花を見るフェスタを開いてみたい」。
春を告げ咲き乱れる桜の花は、その年の豊かな収穫を期待させてくれる。いつかマルケ州の丘陵地で、花を愛でながらヴィーショラワインを味わう祭りが実現するかもしれない。

伝統を引き継いでいく郷土愛、そして新商品にも果敢に取り組んでいくチャレンジ精神。カルディナーレ家が歩んでいくこれからの道が楽しみだ(写真:カンティーナ・デル・カルディナーレ提供)
取材協力先: Le Cantine del Cardinale
https://cantinedelcardinale.it
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