日経平均は年前半3万8000円到達の可能性がある 海外投資家は一時的に日本株に失望も
だが海外投資家による東証のPBR改革期待が一巡しても、米国株高と円安が続けば、日本株の上昇基調は続くとみている。私は1月10日に日経平均の高値予想を3万7000円(3~5月)、安値も3万3000円(10月)にレンジをすでに引き上げたが、早期に年間の高値(3万7000円)をほぼ達成したことで、さらに年間高値予想を3万8000円前後(3~5月)に引き上げたい。また年間レンジも高値3万8000円前後~安値3万4000円へと上方修正する。
また一時的な失望が起きたとしても、投資家と企業との対話が途切れるわけではなく、投資家は「8月15日以降、再びプライム市場全体の本格的な対話のスタートが切られる」と今から準備していただきたい。
1年から3年をかけた投資家と企業の真摯な対話による成果によって、いずれ株価は本格的に上昇していくはずだ。実際、日経平均のPBRは2024年1月になって、直近の上限だった2023年7月の1.39倍を上抜けて1.41倍(1月22日時点)になった。当面この値は1.4倍前後で推移する可能性が高いが、中長期的に稼ぐ力(ROEの向上など)でPBRのレンジが切り上がっていくことを期待したい。
日米金利差は縮小しづらく、円安が継続
今後の日本株上昇のカギを握るのは何だろうか。佳境を迎えた日米の主要企業業績はもちろんだが、日米の中央銀行の金融政策による為替の動向によっても影響を受けそうだ。そのため、中小企業を含めた賃上げ動向も踏まえ、日銀のマイナス金利解除のタイミングなどを見極める必要がありそうだ。
1月22~23日に行われた日銀金融政策決定会合では、サプライズこそなかったが、日銀は次回3月18~19日のマイナス金利の解除の可能性は否定しなかった。ただ、市場のマイナス金利解除のコンセンサスはその次の会合である4月25~26日のままだ。
一方、1月30~31日に開催されたFOMCも想定通りで大きなサプライズはなかった。利下げの時期のマーケットコンセンサスが次回FOMC(3月20日)から、5月以降に後ずれしたため、米10年国債の利回りは3%台へと低下、円は対ドルで一時1ドル=146円台前半まで上昇した。だが2月の日米の金融政策会議の開催はないため、少なくとも3月中旬の次回会合まで日米の金利差は縮小しづらく、円安傾向が続くとの見方に変更はない。
ただ、日経平均が高値をとったとしても、今年は11月5日にアメリカの大統領選挙を控えており、年後半に向けては波乱も予想される。アメリカ経済はソフトランディング(軟着陸)の可能性がある一方、景気後退リスクも懸念される。アメリカ企業の業績が極度に悪化すれば、影響を受けやすい日経平均は3万2000円を下回る場面もあると考えておきたい。
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