太陽光エネルギーで本当に代替は可能か--リチャード・カッツ


 長期的な経済低迷を回避するために、政府と各道県は、現在、停止している原発を再開する手立てを考え出さなければならない。

満足できる解決策が出てこないのは菅内閣の無能さだけが原因ではない。その背後には、政府や官庁、電力会社に対する長年の不信感がある。福島の原発から情報が伝えられれば伝えられるほど、不信感が募っていく。多くの国民は、正しいかどうかは別にして、原子力の監視役である原子力安全・保安院は東京電力が安全性を軽視したとき、同社の言いなりになってそれを黙認した、と感じている。これが、国民が必要以上に原子力に対して不信感を抱く原因となっているのだ。

菅内閣には実効性のある長期的な政策はない。首相は、10年に作成された長期エネルギー計画を白紙から見直すと言っている。同計画はすでに極めて非現実的になっている。新計画もさらに非現実的になる可能性が高い。

海外の顧客が求める日本企業の日本脱出

生産能力の拡大を考えている企業にとって先行き不透明感が高まっている。確かなのは電力などエネルギーの価格が上昇するということだ。低廉なエネルギーを必要とする企業は競争力を失うだろう。

10年の計画では、30年までに実質GDPが37%増加するのに対し、電力消費量は1%減少すると想定していた。過去に、これほどの節電が行われた例はない。日本はエネルギー全体への依存度を下げてきたが、過去30年間、電力依存度を低下させることはできなかった。

同計画では、新たに原発14基を建設することで、原子力発電のシェアを07年の26%から30年には53%に引き上げると想定していた。今となっては、14基すべてを建設することは無理だろう。

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