鉄腕アトムがどうやってゴルフを救うのか

キャラクターに託すスポーツ界の腹積もり

「ゴルフをしている鉄腕アトム」の商品はガチャ機販売ではなく、シャープペンやボールペン(各500円)、キャンパスノート(600円)にスポーツタオル(1500円)からiPhoneケース(1500円)など多彩だ。こっちのほうが手に取りやすいかもしれない。いまのところ、トーナメント会場でしか買えない。JGTOにとっては、コストはかかっておらず「儲けも見込んでいない」といい「ツアーのPRと選手の名前を覚えてもらうこと、会場に来てお土産になれば」というのが、いまの狙いだ。第2弾以降、選手数も増えていく。

こうした「鉄腕アトム」とのコラボのような企画は、プロのツアーでは初めてのこと。石川遼、松山英樹の両選手が米国に行ってから、一時回復の兆しがあった男子ツアーの人気は下降している。なんとか会場に人を呼ぼう、楽しんでもらおうという努力は認められる。ただ、長期低落傾向の中で、即効性があるかどうかはギャラリーの反応次第ということになる。ちなみにツアー選手権での売上は見込みの半分だったという。

キャラクター目当てで足を運ぶ観客も

大相撲では、2009年にアニメのキャラクター「ひよの山」を誕生させた。「ハッキヨイ! せきトリくん」シリーズで、鳥をモチーフにしたいくつかのキャラクターが、相撲界で活躍するストーリー性を持っている。いわゆる「ゆるキャラ」が定着を始めた頃だった。その発表を取材したものの「どうなることやら」と正直思った。

ところが、いまや主人公「ひよの山」人気が高まり、会場に足を運ぶ子どもや若い女性に人気。観客数が回復してきているのはひよの山のおかげとまでは言わないが、確かにひよの山(着ぐるみ)との記念撮影やグッズ目当ての観客も多いと聞く。

プロ野球では1990年代に各チームの「マスコットキャラクター」が出そろい、ドアラ(中日)つば九郎(ヤクルト)などは、並みの選手以上に(?)人気があるが、こうしたマスコットキャラクターが人気になる源泉になったのは、埼玉西武ライオンズができた1970年代終盤ころに登場した「ジャングル大帝」の「レオ」だったように記憶している。

くしくもJGTOがコラボする「手塚プロ」の作品だ。レオをきっかけに各球団がマスコットに力を入れてきた。大相撲もプロ野球も、キャラクターやマスコットありきではないが、時間をかけて育てて人気が出てきたおかげで、会場に来てファンの楽しみが増えたことは間違いない。

「くまモン」は2011年から2年で1244億円の経済効果を生み出し、「ふなっしー」にいたっては8000億円の経済効果があるとも言われている。ゆるキャラ、マスコットキャラはバカにできない。JGTO独自のマスコットは?「いまは鉄腕アトムの知名度をお借りしたい」と予定はないそう。ひょっとしたら「人気ゴルファー」を生み出せるかもしれないのだが。

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