2022年の北朝鮮経済はマイナス成長、貿易は回復 韓国統計庁が推定、対中貿易に全面依存

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北朝鮮では、穀物生産量600万トンの水準が、自給できるレベルだと言われている。この水準からすれば穀物はまだまだ足りないが、中国やロシアなどからの輸入、あるいは支援などが入っているようだ。

北朝鮮は2020年1月末から、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い国境を閉鎖した。現在は開放されつつあるが、本格的な貿易活動は再開されていない。一方で、2022年の貿易額は2021年比122.4%(7.1億ドル)増の15.9億ドルと韓国統計庁は推計している。

内訳としては、輸出が1.6億ドル、輸入が14.27 億ドルとなっている。主な輸出品目は鉱物・スラグ類などが全体の3割近くを占めている。また輸入品の4割近くが鉱物性燃料、鉱物油が占めた。

また貿易総額における最大の貿易相手国は中国で、96.7%とほとんどを占めている。次いでベトナム1.0%、アルゼンチン0.8%の順となっている。

在外公館を縮小、外交は一段と内向きに

2023年10月現在、北朝鮮は159カ国と国交を持つ。一方で、大使館などの在外公館数は46カ国、北朝鮮に設置している国数は34となっている。2023年に入り、在スペイン大使館や在香港総領事館など10数カ所の在外公館を閉鎖するなど、外交活動を縮小させている。

核・ミサイル開発を早急に進めている北朝鮮は、ここへ来て一段と内向きな 外交政策をとり始めた。ロシア出身の北朝鮮専門家で、韓国・国民大学のアンドレイ・ランコフ教授は、「1960年代に対外的な関係を縮小した金日成時代に回帰しているような動きが見られる」と指摘する。

ちなみに韓国は192カ国と国交をもち、在外公館数は167カ所、韓国にある外国公館の数は154カ所となっている。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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