【産業天気図・工作機械】05年受注額は史上2位。06年も予想を“裏切る”好スタート
季節より一足早く、工作機械は春真っ盛りである。2005年の工作機械の受注額は1兆3632兆円(前年比10%増)となり、バブル期の1990年の1兆4121億円に肉薄する史上2位を記録した。
ユーザー別に見ると、2大顧客の一般機械、自動車向けがそれぞれ14.3%、14.8%の伸び。絶対額は少ないが、鉄鋼・非鉄金属向けも34.9%増と大きく伸びた。反面、電気機械は23%減、精密機械向けも微減となったが、これらはメーカーの海外シフトの結果と推定され、かなりの部分が工作機械の「外需」(前年比9.4%増)に吸収された、と見られる。
ただ、06年の受注については年初、工作機械工業会は「11%減の1兆2000億円」という見通しを発表している。昨年までの“出来過ぎ”の反動を懸念したものだ。しかし、現実には2月の単月受注も前年同月比5.3%増となり、41カ月連続して前年を上回った。主力の自動車向けの勢いが依然衰えないうえ、デジタル・情報家電向けの回復も期待できる。このため、工業会の見通しとは裏腹に、工作機械メーカーの間では日に日に“強気派”が増えている。少なくとも06年上期は外需も含め、基調に大きな変化はなさそうだ。
06年下期の受注については、さすがに不透明感が高まるが、たとえ下期受注が減速しても、トランスファーマシンの日平トヤマ<6130.東証>が10カ月、心なし研削盤のミクロン精密<6159.ジャスダック>が9カ月というように、メーカー各社は異常なまでに高水準の受注残を抱えている。業績的には06年度も高操業・高収益を謳歌すると見られる。
【梅沢正邦記者】
(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部
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