ダイハツが現行車で不正、全車種を出荷停止へ 生産終了分含めて64車種・3エンジンで不正行為
不正問題を調査していたダイハツの第三者委員会は、過度にタイトな開発日程や極度のプレッシャーが不正の背景にあると指摘した上で、組織的に不正をしたと示唆する事実は認められなかったものの、現場の実情を把握できなかったなど経営幹部が責められるべきとした。
トヨタの中嶋裕樹副社長は会見で、2014年以降に小型車を中心に海外向けを含むOEM供給車が増えたことが開発や認証現場の負担を大きくした可能性があることを認識できていなかったと話した。ダイハツの星加宏昌副社長は出荷停止で収益面に「かなり大きな影響があると思う」と述べた。
第三者委員会で調査を進めていた
ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストはダイハツがこれまで発表してきた不正が氷山の一角でしかなかったことになり「正直驚きだ」とコメント。認証の再取得が必要になって生産の停止に至る可能性もあるとし、問題が長期化した場合はダイハツだけでなくサプライヤーや販売会社にも影響すると指摘した上で、トヨタはダイハツの親会社で役員にも人材を送り込んでいるから「経営の監督責任を免れない」と述べた。
ダイハツは2023年4月、海外市場向け4車種の側面衝突試験の認証申請での不正行為を確認したと発表。5月にも別の不正が発覚し、外部の専門家による第三者委員会を設立し、調査を進めていた。
トヨタグループでは傘下のトラック・バス部門を担う日野自動車で長年にわたるエンジンの燃費不正が明らかになって業績が悪化したほか、豊田自動織機でもフォークリフト用エンジンで不正が発覚するなど不祥事が相次いでいる。
(会見の内容を追加して記事を更新します)
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著者:黄恂恂、堀江政嗣
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