ダイハツが現行車で不正、全車種を出荷停止へ 生産終了分含めて64車種・3エンジンで不正行為
トヨタ自動車の子会社で軽自動車などを手掛けるダイハツ工業は20日、同社が現在生産している全車種の出荷を停止すると発表した。生産終了分含めて64車種・3エンジンで不正行為が確認された。
発表によると、新たに25の試験項目で、174個の不正行為があったことが判明した。不正行為の車種にはトヨタ自動車に相手先ブランドによる生産(OEM)供給している22車種・1エンジンも含む。トヨタは発表資料で、「再発防止に向けては、認証業務の見直しにとどまらず、会社再生に向けた抜本的な改革が必要」だとした。
4日続伸で推移していたトヨタ株は午後の取引で上昇幅を縮小、下落に転じる場面もあった。終値は0.1%高の2644円だった。
立ち入り検査を実施へ
国土交通省はダイハツから、型式指定申請における不正行為に関する調査結果の報告を受けたと発表。不正は自動車認証制度の根幹を揺るがす行為で、今回追加で発覚したことは「極めて遺憾」とした。同省は大阪府池田市のダイハツ本社に21日午前に道路運送車両法に基づく立ち入り検査を実施することも公表した。
ダイハツによると、調査の最終段階で、他社へのOEM供給を含む車種での試験で、エアバッグの展開を制御するコンピューターが量産品と同じものが使われていない不正が判明。乗員保護性能に問題はなかったものの、一部車種で側面衝突試験での安全性能が法規に適合していない可能性があるという。その他の事案については法規が定める性能基準を満たしていることを確認したという。