認知症の親に「介護施設へ入所して」どう伝える 親子なのにイライラしてしまうのは親不孝?
家族が認知症になったら、誰しも戸惑うものです。
認知症研究の第一人者、佐藤眞一・大阪大学名誉教授は著書『認知症心理学の専門家が教える 認知症の人にラクに伝わる言いかえフレーズ』で、家族から寄せられるよくある悩みについて回答しています。
同書から一部を抜粋、再編集して、「認知症の親にイライラしてしまう」と「介護施設に入所してほしいと伝えたい」という2つの悩みについて解説します。
認知症の親にイライラしてしまう
これまで当たり前にできていたことができなくなる親を見ていると、イライラしてしまう自分がいます。
親子なのに、認知症だとわかっているのに、イライラしてしまうのは親不孝でしょうか。
親子なのに、認知症だとわかっているのに、イライラしてしまうのは親不孝でしょうか。
認知症になった親を見ていると、「昔はもっとしっかりしていたのに」「こんな言葉は言わなかったのに」など、若くてしっかりしていて、子どものことを真剣に考えてくれた頃を思い出してしまうものです。
楽しく、和気あいあいと暮らしていた頃のよい思い出と、認知症になってすっかり変わってしまった今の親の言動を比べてイライラしてしまうのは、実の子どもだからこそのことなのでしょう。
イライラしてしまうのは、親なのだからと懸命に介護しようとすればするほど、理想とはかけ離れたことしかできない自分に向かっている感情でもあります。
どうしてもイライラを抑えることができないときは、いったんその場から離れて、興奮している自分の感情を落ち着かせて、「認知症なのだから、わからないことや、できないことがある」ということを改めて思い起こすことが大事です。
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