「病気で離職し3カ月」30歳彼女の将来への焦り 気持ちが落ち込み、先のことは考えられない

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SCさんは、特殊な資格や技能がないと言いますが、今までの3社においても成果を上げてきていますから、そこにはご自身でも気がついていない強みがあるハズです。

異なる職種にもかかわらず、成果を出せたのは何がよかったのか。どういったタイプの仕事で成果を出せたのか。チームワークでやるタイプか、1人作業が得意なのか。

例えばそういった部分を分析することで、今まで見えていなかった自分の強みが見えてくるかもしれません。

また、長時間労働を前提とせず、短期的な集中力などでこなせる仕事があるかどうかを調べてみましょう。

どの程度の時間や負担であれば今の自分にこなせるか。

そうやって、今の自分にできること、そしてその中でできるベストは何かを考えるほうがよいでしょう。

いきなり短期的にすべてを求めたり、完璧を求める必要はありません。
長い人生がこの先控えていますから、長期的な目線で、ゆっくりと自分のペースで長距離走を走ればよいのです。

その際に自分のペースを知っているか否かは非常に大切ですし、何よりもその自分のペースで進むことが大切なのです。

であるからこそ、まずは自分を知り、現状をキチンと把握して、現状にあったベストを探す、というプロセスが必要なのです。

そうやって、今の自分にできることを少しずつ増やしていき、自分の経験も、できることも、そして自分自身に対する自信も徐々に増やしていけばよいのです。

最終的にどこまでやれたがが大切

少なくとも、焦って完璧でいようとして、自分自身を苦しめるよりは、長期的な目線で考えたほうがよいでしょう。

その時々はゆっくり進んでいるように見えるかもしれませんが、人生においては、今現在どこにいるのかよりも、最終的にどこまで行けたか、どこまでやれたか、が大切なのです。

「今の自分」はその時々において変わるものです。

大切なのは、昨日よりも今日、今日よりも明日の自分がキチンと大きくなっていることです。

そのような小さな積み重ねが、やがて大きな成果につながるのです。そしてヒトはそれを成長と呼びます。今の自分と、将来の自分の差分が成長です。

SCさんにとって大切なのも、現状を無視した完璧を短期的に求めることではなく、今の自分を徐々に、一歩一歩大きくしていくことです。

キチンと自分と向き合い、自分と会話し、その中で今の自分にとってのベストの選択肢を探って、ベストな成長を噛みしめて前向きに生きましょう。

SCさんがそのようなスタンスで焦らず、今の自分とキチンと向き合い、今の自分にとってのベストを探し、一歩一歩できることを増やし、着実に人生の階段を上がられるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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