日経平均小反発、一時上海株急落にヒヤリ 後場マイナス圏突入も、最後は切り返す
[東京 4日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日ぶりに小反発となった。前日の欧米株高を好感した買いが広がったほか、国内長期金利の上昇を受け保険など金融株が上昇した。後場に入り上海株の急落を受けた先物売りで一時下げに転じる場面もあったが、おう盛な押し目買い意欲は継続し、大引けにかけて切り返す動きとなった。TOPIXも3日ぶりの反発となった。
4月末に独10年債<DE10YT=TWEB>利回りが上昇した際には、緩和マネーの巻き戻しが意識され、日本株は一時的な調整を余儀なくされた。だがきょうの東京市場では買いが先行。欧米株が上昇したことに加え、「2016年9月末まで資産買い入れを実施するというECB(欧州中央銀行)理事会後の会見におけるドラギ総裁の発言が支えとなっている」(国内証券)との見方もあり、流動性に対する期待が継続した形となった。
国内でも長期金利が上昇。業種別指数では保険業<.IINSU.T>が前営業日比で2%超の上昇となったほか、メガバンクにも買い戻しの動きが広がった。またユーロ/円が140円台前半まで強含んだことで、マツダ<7261.T>や富士通<6702.T>など欧州関連株が買われた。
今週末に発表される米雇用統計を見極めたいとの心理から、日中はこう着した展開となったが、後場後半に上海株の急落に反応する形で日経平均は下げに転じ、2万0500円を割れ込んだ。ただ「中国株の調整はある程度織り込み済み。日本株については押し目待ちの待機資金が多く、下がれば買い需要も発生する」(別の国内証券)との声も聞かれ、下値の堅さを印象付けた。
日本アジア証券エクイティ・ストラテジストの清水三津雄氏は「朝方の買いが失速したことで、利益確定売りに押される形となった。12連騰後となれば反動も出やすい」と指摘。日経平均は「2万円割れまで調整が進む警戒感はあるが、いい押し目となる部分もある」との見方を示している。
個別銘柄では楽天<4755.T>が大幅安。4日、公募増資で最大1880億円を調達すると発表した。銀行借り入れの返済や設備投資などに充当する予定。1株利益の希薄化や需給悪化などへの懸念から売りが出た。
半面、石原産業<4028.T>がしっかり、。シンガポール子会社の土地借地権の一部について売却が決まり、約42億円を特別利益に計上すると3日に発表し材料視された。
東証1部騰落数は、値上がり994銘柄に対し、値下がりが751銘柄、変わらずが140銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 20488.19 +14.68
寄り付き 20539.94
安値/高値 20438.21─20552.46
TOPIX<.TOPX>
終値 1673.89 +3.90
寄り付き 1674.38
安値/高値 1669.31─1676.69
東証出来高(万株) 249494
東証売買代金(億円) 26911.71
(長田善行)
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