中国・広汽集団、「全固体電池」を2026年に搭載へ ベンチャー投資やスピンオフなど幅広く布石

✎ 1〜 ✎ 110 ✎ 111 ✎ 112 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

全固体電池は次世代の車載電池の本命であり、電池メーカーだけでなく自動車メーカーも研究開発や量産計画を競っている。

例えば、国有自動車最大手の上海汽車集団は前出の清陶能源と協業し、2025年上半期から全固体電池を搭載する複数車種のEVを投入、同年末までに合計10万台を販売する計画を打ち出した。

ただし世界に目を転じると、全固体電池の技術開発では日本メーカーが最も先行しているとの見方が主流だ。

「日本のトヨタ自動車は(全固体電池に関する)膨大なノウハウを蓄積している。全固体電池の量産は、トヨタが最初に実現する可能性が高いだろう」。電池技術の専門家である上海交通大学教授の薄首行氏は、財新記者の取材に対してそう述べた。

超高速充電技術も開発

広汽集団は全固体電池のほかにも、EV関連のサプライチェーンに幅広い布石を打っている。

例えば、研究開発部門の広汽研究院で超高速充電技術を開発していたチームをスピンオフさせ、2020年9月に「巨湾技研(グレーター・ベイ・テクノロジー)」を設立。同社は超高速充電に対応した新型電池の量産を2023年10月に開始した。

広汽集団傘下の因湃電池科技は大規模な電池工場を建設中だ(写真は広汽集団のウェブサイトより)

また、広汽集団の子会社で独自ブランドのEVやPHV(プラグインハイブリッド車)を生産・販売する広汽埃安(アイオン)は、車載電池および蓄電システム用電池の新会社「因湃電池科技」を2022年10月に設立した。

本記事は「財新」の提供記事です

因湃電池科技は広東省広州市内に大規模な工場を建設中で、2024年3月までに量産を開始。さらに、2025年末までに年間生産能力をEV60万台分に相当する36GWh(ギガワット時)に拡大する計画だ。

(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は11月18日

財新 Biz&Tech

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ザイシン ビズアンドテック

中国の独立系メディア「財新」は専門記者が独自に取材した経済、産業やテクノロジーに関するリポートを毎日配信している。そのなかから、日本のビジネスパーソンが読むべき記事を厳選。中国ビジネスの最前線、イノベーションの最先端を日本語でお届けする。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事