OpenAI電撃復帰「アルトマン」そんなにすごいのか 英雄好きシリコンバレーの困ったカルチャー

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復帰の試みは現在進行中で、物語には曲折があるとはいえ、ここ何日間かで1985年にアップルの取締役会から追い出されたジョブズとの類似性を指摘する論調が強まった。

当時のアップルは業績不振で、ジョブズは決して模範的な社員ではなかった。ジョブズは自らが創業した会社と自らがそのために闘ってきたパーソナル・コンピューター業界を去ることになった。

11年後、アップルの経営がさらに悪化する中、ジョブズはアップルに復帰した。今やアップルの企業価値は3兆ドルに達している。アメリカのビジネス史に輝く、最高の第二幕だった。

2011年に死去したジョブズの仕事人生は、テック企業の創業者たちにとって魅惑的な比較対象となっているが、ジョブズはおそらく彼らの比較対象とはなり得ない。

自動運転クルーズでも経営者退出

先見性のある創業者という伝説はジョブズから始まったものではないが、ジョブズはそれを新たなレベルに押し上げた。「ほかの人たちには目先しか見えないときに、彼には地平線の少し向こう側が見えているようだった」。

ジャーナリストとしてアップルの歴史を記録し、後にベンチャーキャピタリストとなったマイケル・モーリッツは1985年に、ニューヨーク・タイムズにそう語っている。

それはジョブズ自身が受け入れるようになった描写だ。「『顧客が欲しがるものを与えろ』と言う人もいる。だが、それは私のやり方ではない。私たちの仕事は、彼らが欲しがるものを彼らより先に見つけ出すことだ」。最もよく引用される発言の1つの中で、ジョブズはそう言った。

ジョブズの存在によって、そうしたことは簡単であるかのように思われるようになった。1000曲も入る小さなデバイスは売れた。だが、自動運転車のように理解しやすいものであっても、現実には人々が何を求めているのかはあまり明確ではない。

CEOの職を取り戻そうとアルトマンが交渉していた19日、ゼネラル・モーターズ(GM)の自動運転車部門クルーズのCEOカイル・ボグトの辞任が発表された。

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