「CO2の排出削減はグローバルな大潮流だ。中国の電池関連産業は、脱炭素、環境への配慮、カーボンフットプリントなどへの対応をできるだけ早く成長戦略に組み込まなければならない」
中国電気自動車百人会(訳注:EVの普及促進に向けた政策提言などを行う民間シンクタンク)の副秘書長を務める馬仿列氏は、11月1日に開催されたEV関連業界のフォーラムでそう述べた。
このフォーラムでは、EUを先頭に世界各国が導入しようとしている脱炭素関連の新規制について、業界の専門家から強い懸念が示された。
「各国の脱炭素法規や炭素国境調整措置は、自国産業の保護に有利な内容になっている。『脱炭素の障壁』は中国メーカーの競争力を短期間でそぎ落としかねない」。政府系シンクタンクの中国汽車戦略・政策研究センターの石紅氏は、そう警鐘を鳴らした。
「中国企業に不公平」との見方も
石氏によれば、EUの脱炭素関連規制は多岐にわたる複雑なもので、中国メーカーは十分な理解と対応が追いついていない。
なかでも、欧州電池規則が求めるカーボンフットプリントの算出は、自社製品の製造段階はもちろん、原材料の採掘や輸送、廃棄後のリサイクルなど全ライフサイクルをカバーしなければならない。電池メーカーの法令順守コストや事業リスクが大きく高まるのは確実だ。
しかも、EUの新規制は「中国企業に対して必ずしも公平ではない」と、石氏は指摘する。
例えばカーボンフットプリントを算出する際に、電池メーカーはEUが策定したパラメーターを使用する。その中身はブラックボックスであり、中国のエネルギー利用に関するCO2排出係数が「往々にして高めに見積もられている」(石氏)という。
(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は11月2日
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