東京電力の12年3月期は創業以来初の営業赤字転落も、最終赤字は依然巨額に

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 ただ、繰り返しになるが、すべては流動的だ。まず1つに5月13日に政府が発表した「損害賠償スキーム」が今国会もしくは臨時国会で法案化されないか、内容が大幅に変更されれば、今期業績の前提が変わる。加えて、福島第一原発は1~3号機が炉心溶融に陥っているうえ、汚染水の処理量も膨大だという問題がある。「今後、(事故処理の)工程表が見直されることになれば、廃炉コストも膨らむ」(国内証券クレジットアナリスト)との見方もあり、最終損失額が一段と膨らむリスクもある。

前期末時点の東京電力の純資産は1兆6024億円と、10年3月期末比で36%減少した。株主持分(自己資本)比率は前期の18.7%から10.5%にまで低下。今期については、下表程度の最終損失額であれば債務超過に陥ることはない。資金繰りに関しても、3月に銀行団から2兆円の緊急融資を受けており、今期はこのおカネでやりくりできる、としている。ただ、事故収束の行方や賠償スキームなど、流動的な事項が多い中、「死に体」状態が続くことは間違いない。

(倉沢 美左 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2011.03  5,368,536 399,624 317,696 -1,247,348
連本2012.03予 4,800,000 -400,000 -600,000 -900,000
連本2013.03予 5,200,000 2,000 500 -100,000
連中2010.09  2,710,744 235,808 201,381 92,288
連中2011.09予 2,300,000 -250,000 -300,000 -400,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2011.03  -846.6 30 
連本2012.03予 -561.6 0 
連本2013.03予 -62.4 0 
連中2010.09  68.4 30 
連中2011.09予 -249.6 0 

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