元スカウトマンが見た「本田圭佑」成功呼ぶ人間力 高校生でピッチの中で監督のような存在だった

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こうしたルーティーンには一般的に、平常心を保てたり、集中力を高めたりする効果があると言われています。

そうして身につけたのが、「レフティー・モンスター」と形容されることになった強烈な左足での無回転ぶれ球FKです。2010年W杯南アフリカ大会1次リーグ第3戦のデンマーク戦。岡田武史監督率いる日本代表を2大会ぶりの決勝トーナメントへと導くきっかけとなった一撃は、ケイスケの左足から生まれました。

前半17分にやや右寄り、ゴールまで約30メートルの位置で得たFK。彼はいつものルーティーンから力強い助走に入り、左足を振り抜くと、ほぼ無回転のボールは相手ゴールキーパー(GK)の手前でぶれながら鋭く落ちて、ネットに吸い込まれました。ウェズレイのモノマネから始まった探究心が実を結んだ瞬間でした。

プラスになると判断したものは積極的に取り入れる

「学ぶことは、まねることから始まる」。世界最高峰のW杯の舞台で、その言葉がサッカーの世界でも真実であることを、ケイスケは自らのゴールで証明しました。

ちなみに、デンマーク戦では、ヤット(遠藤保仁)もFKで日本代表の2点目を決めました。ガンバ大阪に関係する2人がそろってFKで得点を挙げたデンマーク戦は、現地で観戦していた私にとっても、忘れられない思い出です。

星稜高校の河崎先生はサッカー部の監督であるとともに、ケイスケの担任を3年間務めました。河崎先生は3年間で一度もケイスケを叱ったことがないそうです。

ミーティングがあると、いつも目の前の・指定席・に座り、監督である河崎先生を真っ直ぐに見て一言も聞き漏らすまいとする。自分にとってプラスになると判断したものは、何でもその道の専門家に尋ねて積極的に取り入れる。理解できなければ、理解できるまで毎日、何度でも尋ねる。疑問に感じたことは、真っ直ぐにぶつける。

探究心・好奇心=受容力と思うのは、ケイスケのスポンジのような吸収力の事例が念頭にあったからです。

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