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インドネシア高速鉄道、「試乗会」で見えた実力 最高時速は350km、「中国式」らしさはある?

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  • 高木 聡 アジアン鉄道ライター
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パダラランから先は再び高速道路に並行し、バンドン市街地の外縁を行く。ここはバラスト軌道になっており、最高速度は時速200kmである。高速道路沿いには住宅地のほか、繊維系を中心とした小規模工場なども多く立ち並んでいるが、テガルアール駅の手前まで来るとあたり一面が水田となる。唯一の建物と言えば、進行方向左手に見えるバンドンスタジアムである。

高速道路に沿ってバンドン市街地の外縁を走る高速鉄道(筆者撮影)

バンドン市では、この一帯を「グバグデ開発エリア」と指定しており、駅もその中に位置する。開業によって一気に開発が加速するだろう。日本案では、線路はバンドンを経てグバグデまで建設する計画で、駅は在来線のグバグデ駅に併設する形だった。実際に建設された中国案では、駅は高速道路に並行してテガルアール駅として設置されたが、グバグデ駅とはさほど離れていない。

テガルアール駅に到着した試乗会列車(筆者撮影)

高速鉄道が生む巨大経済圏

テガルアール駅の先にある車両基地は在来線のランチャエケック駅付近の線路に沿っている。車両基地まで営業列車を走らせれば、バンドン以西へ向かう在来線長距離列車と接続が可能なだけに、残念だ。

それができないとしても、駅の脇の高速道路には、ジャカルタから頻発している高速バスがひっきりなしに走り、さらに西のガルトやタシクマラヤ方面へと運行している。高速道路から駅にそのまま乗りつけられるようにして、これらのバスと組み合わせて利用できるようにすれば、さらに多くの需要を見込めるはずだ。インドネシアでは壊滅的に不便な駅からの二次交通整備と合わせて、検討に値するだろう。

ホームに大屋根がかかるテガルアール駅(筆者撮影)

テガルアール駅は唯一の地上駅で、ややこじんまりとした2面4線の駅であるが、大屋根がかけられており、非常に開放感がある。駅舎側からもホームがよく眺められるように造られており、駅前駐車場には見物人が集まっていた。ハリムからわずか45分、もはやバンドンはジャカルタの通勤圏内である。

インドネシアの人口は国土の6%に過ぎないジャワ島に約6割が集中しているが、その中でも高速鉄道の沿線には東京23区並みの人口密度を誇る都市が連なり、インドネシアのGDPの約3割を生み出している。これらが高速鉄道によって結び付けられることになる。巨大経済圏の誕生を感じずにはいられなかった。

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