中部電力が浜岡原発の運転を停止、信用評価上はネガティブ《ムーディーズの業界分析》
東京電力が発電能力を失った分をカバーするために、中部電力は、すでに東京電力管内に電力を融通している。浜岡原発の発電供給力抜きに中部地方の電力需要を満たすためには、中部電力は武豊火力発電所を再稼働させ、また、東京電力への電力融通を取りやめざるをえない。
さらに、中部電力は、トヨタ自動車を含む中部地方の産業用電力需要を満たせるよう、十分な供給予備率を確保するために、関西電力(Aa2、格下げ方向で見直し中)等、他の電力会社に対して電力融通を依頼せざるをえなくなるだろう。中部電力の供給エリアは、日本の製造品出荷額の26.8%を占めている。産業用需要は、中部電力全体の48%を占めており、全国平均の36%よりも10%ポイント以上高い。
このエリアの7月、8月の最大電力需要は、2560万kWと予想されている一方、他の電力会社からの融通がなければ、供給力は2600万kW強にすぎず、供給予備率は2~3%にとどまる。中部電力によれば、今年の夏の気温が平年を上回ると想定した場合の停電を避けるためには、8~10%の供給予備率を確保しておくのが望ましい。
以下のチャートは、中部電力が火力発電や他社からの購入によって代替が必要となる原子力発電量のウエートを示している。
図表1:中部電力 発受電電力量内訳と販売電力量
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