よくあるストレス解消法、効果感じられぬ納得理由 むしろストレスをためる結果になることも
まずはストレスとは何かを知ったうえで、自分に合った正しいストレス解消法を探していきましょう。
「ストレス」という単語を『広辞苑』で調べると「種々の外部刺激が負担として働くとき、心身に生じる機能変化」とあります。
ここで注目してもらいたいのは、ストレスとは本来「機能変化」のことを指し、仕事や人間関係などストレスを引き起こす「外部刺激」のことではないということです。
ストレス=嫌なことではない
例えば、「あの人とは考え方が合わなくて、話すだけでストレスがたまる」は、「あの人と話すことによって、今まで平穏だった自分の気持ちが変化している」ことであって、「あの人と話す=ストレス」ではないということです。
ストレスを引き起こす原因になるものは、「ストレス因」もしくは「ストレッサー」と呼ばれます。つまり私たちが日々使っている「ストレス」という単語は、本来の意味とは若干違うことを認識しておきましょう。
「あの人と話す」こと自体をストレスだと思っているとただ嫌な気持ちになるだけですが、ストレスを起こす「原因」だと思うと、そこに対処すればいいとわかり、気持ちも少し楽になると思います。
また、ストレスの原因というと、何となく心理的なものを想像する人も多いと思いますが、本来はより広い意味があり、物理的なものも含まれます。
具体的には寒暑や騒音、空腹、感染などです。心理的なものも含め、それが続いて心身の正常な状態が保てない場合は、ストレスと考えていいでしょう。
もう少し細かく説明すると、人間の体には恒常性(ホメオスタシス)という機能が備わっています。恒常性とは、「どんな環境にいても体をある程度一定の状態に保つ」ことで、これが乱されたときに、ストレスが生まれるのです。
例えば、人の体温、脈拍、血圧などは、恒常性のおかげで普段は一定に保たれています。しかし、暑い場所や寒い場所に長時間いたり、感染症に罹ったりすることで、体温や脈拍が正常の範囲を外れてしまうことがあります。
このように、何らかの刺激を受け、心身の機能が健康的な範囲から外れてしまうような状態のことを、ストレスと考えるとわかりやすいでしょう。
また、私たちがイメージしやすい心理的なストレスも、それが心身の正常な状態を乱すのであれば、紛れもなくストレスになっているといえます。
ただ心理的なものは非常に個人差が大きく、特定の出来事がストレスになるかどうかは人によって変わります。
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