ラグビーW杯「アサヒスーパードライ」看板に異変 スポーツとアルコールを結び付ける広告一切禁止

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「Aaah!」「SUPER TRY」の電光掲示板=9日、オーストラリア-ジョージア戦(写真:ロイター)

もう1つの「日本代表」の戦いがあった。ラグビー日本代表が優勝を大目標に掲げ、前回大会を超える4強入りを狙うW杯フランス大会。9日の1次リーグ初戦でチリを42-12で下して白星発進した中、注目を集めたのがグラウンド脇に置かれたデジタル看板だった。

日本人にはおなじみのビール「アサヒスーパードライ」を宣伝する文字が躍るが、よくよく見るとちょっと違う? 今大会からアルコール飲料等のカテゴリーのワールドワイド・パートナーを担うアサヒグループジャパンに理由を聞くと、思わぬわけがあった。

フランスの法律の制約で「SUPER TRY」に

「あと少しでトライ! いけ!」。そんな応援が会場でも、映像越しでも聞こえただろうチリ戦。サイドラインを疾走する選手のその奥のデジタル看板には「Asahi SUPER DRY」「辛口」の見慣れた文字が…と思いきや、書かれていたのは「SUPER TRY」。ラグビーのトライに引っかけたシャレかと感嘆していたが、もっと驚く事実があった。

「『Asahi』に見えますが、実は『Aaah!』、日本語で言うなら『あーー!』なんです」。教えてくれたのはアサヒグループジャパンの広報部。確かにフォントは一緒だが、社名ではない。そこまでしゃれる必要が? その疑問にも、明瞭に答えてくれた。

「フランスの法律に沿った結果、このような掲示になりました」。商品名を出せないわけは91年に同国で制定されたアルコール広告規制法、通称エヴァン法にあった。依存症などの健康被害を重く見て、スポーツとアルコールを結び付ける広告は一切禁止。「そのため、直前ギリギリまで交渉していました」と明かす。

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